無痛分娩ってどんなもの? -メリット・デメリットは?ー

「無痛分娩」という言葉を耳にしたことのあるママも多いと思います。

でも無痛分娩ってどんなもの?と聞かれると、意外とよく知らない方は多いのではないでしょうか。

このコラムでは無痛分娩とはどんなものなのか、また無痛分娩のメリットやデメリットについて詳しく解説していきます。

「無痛分娩」ってどんなもの?

そもそも無痛分娩って全く痛みがないの?

無痛分娩という名前から「痛みが全くない分娩」というイメージを持つ方も多いですが、実際には「痛みを軽減させる分娩」というのが正しく、子宮収縮に伴う痛み(陣痛)が全く無いわけではありません。

完全に陣痛をなくしてしまうと、赤ちゃんを産む際にいきむタイミングが分からなくなってしまうため、意図的にある程度の痛みを感じられるようにしています。

無痛分娩での痛みの軽減方法は、一般的に硬膜外麻酔法という方法で行われます。これは、妊婦さんの背中から硬膜外腔という場所へ、細く柔らかいプラスチックの管(カテーテル)を入れて、その管から薬を注入することで麻酔をかける方法です。

分娩の痛みを感じる神経だけに作用するので、下半身のみ軽く麻酔がかかります。そうすることで意識を保ったまま、下半身の痛みを和らげることができます。

またカテーテルを入れる前には、皮膚に局所麻酔をしてから行うため、強い痛みを感じることはありません。

無痛分娩って赤ちゃんに影響はないのかな?

麻酔薬が胎盤を通って赤ちゃんへ届くことがほとんどないことから、赤ちゃんへの薬剤の影響はほぼありません。

無痛分娩による赤ちゃんへの長期的な影響については、まだ分かっていない部分も多いです。しかし無痛分娩で生まれた赤ちゃんが19歳までに学習障害があったかどうかを調べた研究では、学習障害が多くなることはなかったという報告があります。

無痛分娩のメリット・デメリット

無痛分娩って具体的にどんなメリット・デメリットがあるの?

無痛分娩のメリットは、分娩の痛みを抑えることで出産に必要な体力を温存でき、穏やかに過ごすことができることです。疲労が少なく出産後の回復も早かったという妊婦さんもいるようです。

痛みを和らげることで、ママの心臓や肺への負荷が軽減し、赤ちゃんに酸素や血流がしっかりと流れるといわれています。

デメリットの一点目は、麻酔による頭痛、皮膚のかゆみ、低血圧、吐き気、発熱などの影響が挙げられます。しかし、これらは適切な処置を行うことで影響を最小限にすることができます。

デメリットの二点目は、通常のお産と比べると少しではあるものの、出産にかかる時間が伸び、お産の最後に吸引分娩や鉗子分娩が必要になる可能性が高くなることです。しかしそれによって長期的な影響があったとはいわれていません。

分娩に関する考え方

無痛分娩してみたいけど、周りにどう思われるかな…

日本では「お産は痛いもの」「我慢は美徳」という特有の考え方があり、それを覆す無痛分娩に対して抵抗感を持ち、無痛分娩に反対する人も少なくないように思います。

特に自分たちの両親の世代だと、まだ無痛分娩の認知度が低く、危険なものと認識されている方も多いですよね。

しかし、日本産婦人科医会によると、全分娩の中での無痛分娩実施率は2007年には2.6%でしたが、2023年には11.6%となっており、近年増加傾向にあります。昔ほど、無痛分娩は珍しいものではなくなってきているのかもしれません。

イメージだけが先行し必要以上に分娩を恐れてしまったり、周りに合わせて自分の望む方法を選べなかったりするのはもったいないと思います。

無痛分娩でも自然分娩でも、どちらを選ぶにしても正しい情報を得て、周りの意見も聞きながら自分に合った選択をすることができるママが少しでも増えたらいいなと思います。