「妊娠や出産」という変化がこころに与える影響とは
人生では「入学した」「はじめて一人暮らしを始めた」「就職した」など数多くの新しい経験をしていきます。私たちは、このような人生の様々な新しい経験を『変化』と捉え、たくさんのエネルギーを使って『変化』に適応しようとします。
新しい経験=『変化』への適応には、なぜたくさんのエネルギーが必要なのでしょうか。
何回か経験して慣れていることであれば大体のことが想定内であり、これまで上手くいった対処法を使えばよいので、それほどエネルギーは必要ありません。
一方、新しい経験であれば分からないことが多いので、気を張ったり、細かいところに気を遣いすぎたりして、たくさんのエネルギーが必要となります。
このように『変化』に適応していく時に、自分の中のたくさんのエネルギーを使うためストレスを感じる人も多いでしょう。「ストレス」と言うと、嫌なことが起きた時に感じると思われがちですが、昇進や結婚、妊娠など、幸せな『変化』も人間にとってはストレスになります。
人生の色々な『変化』の中でも、はじめての妊娠や出産は「ママになる」という極めて大きな変化です。
妊娠出産期は「ママになる」という大きな変化に伴い、こころやからだの変化だけでなく、仕事や私生活上の人間関係の変化など、挙げればきりがないほど様々な変化が起こります。
それらの変化に慣れていくために多くのエネルギーを必要とするので、ストレスを感じやすくなります。
まず、妊娠出産期はからだやこころに負担がかかる時期であることを知っておいてくださいね。
今回は「ママになる」という変化が負担になりすぎないように、適応するためのコツについて説明していきます。
変化に適応するための4つのコツ

1.妊娠や出産の時期、どのような変化にどのような気持ちを感じているかを整理してみよう
妊娠出産期のように様々な変化が起こっている時には、はっきりとした理由がわからずに、よく分からない気持ちで頭がいっぱいになってしまうこともあるでしょう。
そんな時には、自分の感じている気持ちを否定せずに、どのような変化でどのような気持ちになっているかを整理してみましょう。
その際、ぜひ覚えておいてほしいことは、大変な変化の最中にいる時期にポジティブな気持ちとネガティブな気持ちが混じり合うことは決しておかしなことではないということ、気持ちの感じ方は人それぞれ違って当然であって、あなたの感じている気持ちは何一つ間違ってはいないということです。
例えば、妊娠して幸せを感じている一方で、今まで通りに仕事をしたいのに、つわりや体調不良で予想以上に働けずに、思ったように働けないもどかしさや妊娠中に働くことへの不安を感じている人もいるでしょう。
あるいは、お腹の赤ちゃんが可愛く感じている一方で、今までは自分のペースで行動していたのに、気軽に外出できないことがつらく感じている人もいるでしょう。
このように、自分の気持ちを否定せずにしっかりと感じて、どのような変化でどのような気持ちになっているかを客観的に自己理解することができるようになることが、変化に適応するための第一歩です。
2.変化のポジティブな面とネガティブな面の両面を見る
「変化」の時は「変わったこと」に気持ちが向きやすくなります。特にネガティブな変化は、どうにかしなければと本能的に察知します。
今のネガティブな部分だけでなく、ポジティブな部分も認識することで、妊娠・出産という大きな「変化」も「なんとかなるかもしれない」と感じられ、適応しやすくなります。
まずは今出来ていることや、妊娠や出産という変化の中で「ポジティブな部分」をひとつずつ探してみましょう。
今すぐポジティブな部分まで考えられないという人は「人間は変化の時にはネガティブな部分ばかりに目がいってしまうものだ」という事実を知っているだけで、少し見え方が変わってくるかもしれません。
3.自分なりの適応方法を整理する
すぐに「変化」に慣れることはできませんが、今まで多くの「変化」を経験し、その中で自分なりの適応方法を学んできたと思います。
例えば「高校入学直後は人見知りで友達ができなくて不安だったけど、挨拶だけはしていたら自然と友達ができたな」「初めて一人暮らししたときは家族に電話して、寂しさを乗り越えたな」など、人によって適応までの道のりは様々だと思います。
自分が『変化』の時にどのような気持ちになり、どのような行動をしがちか、そしてどのように適応していたかを整理することで、よりスムーズに適応していくことができます。
4.サポーターを見つけよう
変化に適応するためには、頑張らないといけないこと、手を抜く場所のバランスを新しく見つけていかなければいけません。
しかし変化に適応しようとしている時は、どうしても視野が狭くなってできない自分にばかり目が行きがちです。
視野を広げてみると、あなたのこころとからだのサポーター候補として、一緒に親になるパートナー、祖父母になる実の両親や義理の両親だけでなく、同じ状況の友人や同僚の先輩ママが近くにいるかもしれません。
できるだけ持続的に居心地のよい環境をつくるために、周りのサポートを増やしていきましょう。


