~はじめに~
ママのイライラや身体の変化に伴う不調など、パパなりに考え、サポートしているけど、いつまで、悪阻(つわり)が続くのか?出産までこのままなのか?出産後もこの状態なのか?など、先が見えない不安を感じることはありませんか?
また、不安や戸惑いがある中で、ママの気持ちを理解しようとしたり、サポートしたりしているのに、何故かママの機嫌が悪く途方に暮れているパパもいるのではないでしょうか。
この時期のママは、妊娠を維持するホルモンが大量に分泌されるため、イライラしたり、落ち込みやすくなったりすると言われています。今までの自分とは違うという気持ちが溢れ、先の見えない不安を感じている場合もあります。
心理学では、イライラは自分がコントロールできないことに困っている状態をしめすものという見方があります。
コントロールできないほどのイライラや不安を感じている時はアドバイスよりも「共感」の姿勢が有効に働くと言われています。特に、パートナーが共感してくれることはとても心強く感じるものです。
そうは言っても、
「今悩んでいることを解決せずにただ話を聞くだけで良いのか?」
「ママの言っていることが自分の考えと違っているのに共感していて大丈夫なのか?」
「赤の他人であれば責任がないから共感できるけど、ママは大切な人だからこそ適当なことは言えない」
と感じているパパも多いのではないでしょうか。
また、
「ママの意見を全部肯定しないといけないのはいかがなものか」
「ママの言いなりになれってことなのか」
「パパに発言権はないのか」
と感じているパパもいるかもしれません。
実際に、アドバイスをせず共感することはとても難しいものです。
「共感」ってどんなふうにすれば良いのか分からない」
「自分なりに共感したのに「そこじゃない」と言われる」
そんな経験はありませんか?
今回は、ママとのコミュニケーションに困っているパパに、共感や話し合いの方法についてお伝えしたいと思います。
1. 「前も聞いたよ」はNG!同じ話を繰り返す2つの背景
ママが同じ話を何度もしてきたり、しんどそうな顔をしたりしているので、「こうしたら楽になるんじゃない?」「もっとこうしてみたら?」など、ママを思ってアドバイスをしてみたら、なぜかママが不機嫌になったという経験をしたことはありませんか?
何度も同じことを話されると、つい、「前も聞いたよ」「気にしすぎじゃない?」と返したくなることもあるかもしれません。
そもそも、何故ママは同じ話を何度もするのでしょうか。
その理由は大きく分けると2つあるのではないかと思います。
1つ目は、ママにとってはものすごく大変、重要なことだと思っているから
2つ目は、パパが理解してくれていないように感じるから
最近ママが繰り返し言っていたことはどちらの理由にあてはまりそうですか。
ママが不安を話してきたら、ママの感情を繰り返して共感することが大切です。
例えば、「不安」と言えば「それは不安だね」と言い、ママがイライラしていたら「それはイライラするね」と言う。
パパの中には、ネガティブな感情を共感するとその気持ちが強くなるのではと思っている人がいるかもしれません。
しかし、それは真逆で、感情を共感してもらえると気持ちが落ち着いてきます。
ネガティブな感情が強まる時は、出来事についてコメントしたり、相手について一緒に悪く言ったりする可能性があるので、それは少し気をつけても良いかもしれません。
具体的にお伝えしておくと、
例えばママが、「今日、道を歩いていたら急に自転車が飛び出してきてすごくびっくりした。赤ちゃんに何かがあったらどうするんだろうね。イライラする」
と言ったら、共感してほしいのは、「驚いたこと」と「イライラすること」もしくは「赤ちゃんが大丈夫なのか不安」という気持ちです。
そのため「そんなことあったんだ。それは驚くね。」(これは1つ目の理由の人に有効です)「2人に何かあったらって考えるとイライラするよ」(これは2つ目の理由の人に有効です)と伝えるのが共感になります。
ここで、「それは自転車が悪いよね。どうにかならないのかね?」「そういうことあったらどう責任とるつもりなんだろうね」と出来事に共感すると、場合によっては「そこじゃない」とママの機嫌が悪くなるかもしれません。
また、パパの中には具体的に聞いたほうが良いと思って「どこの道でぶつかりそうなったの?」「何歳くらいの人だったの?」と聞くこともあるかもしれません。ママが分かってほしいポイントと少しズレてしまい、「なんでそんなこと聞くの?」と嫌な顔をするかもしれません。
パパが話題を広げようとしている気持ちを考えると胸が痛いのですが、だからこそ、嫌な顔をされる機会が減ってほしいので、共感に徹してみてください。
ママにとっては、 “解決”よりも“共感”が心の支えになることがあります。
「共感の言葉がすぐに浮かばない」と思う人は、
・ママが話を始めたら最後まで遮らずに聞く
・「それくらい」「こうしたら」などと否定やアドバイスをしない
・スマホを触らずに、「うんうん」「そうだよね」など相槌を打ちながら話を聞く
を心がけることで、パパが真剣に聞いてくれていると感じやすいです。
ママはパパの話を聞こうとする姿勢を見ており、真剣に聞いてくれていると感じられることがママの安心につながります。
ママに共感しているほうが、パパの希望も受け入れてもらいやすいこともあります。
「共感」できないと感じるパパは、職場でおこなっているコミュニケーションを想像すると良いでしょう。上記のような内容でも、同僚の人が話していたら「そんなことがあったんだね」「それは大変でしたね」くらいは言うと思います。
また、もし、仕事の打ち合わせで相手がずっとスマホを触っていて、時折「聞いている」と言われたら、話す気がなくなってくるよなと話す側の気持ちも理解しやすくなるでしょう。
最初は難しくても大丈夫です。
今から少しずつ、“気持ちに寄り添う”練習を始めていきましょう。 ママの心が不安定なとき、パパがそばにいて気持ちを受け止めてくれるだけで、世界が変わるくらい安心できるものです。
2. 「言いなりになれってこと?」ではない!共感がもたらす本当のメリット
「ママがイライラしているので、理由を聞いたけど、答えてくれないのでもうほっておくしかないのでは?」と感じることはありませんか?
ママがイライラしている時は、何か理由があるもの。
そうは言っても、
「ママの機嫌が悪い時は正直話したくない。」
「正直、自分の機嫌くらい自分でとってほしい…」
とパパの不満も高まってくるかもしれません。
そう思うことは自然なことなのですが、今、その理由を放置しておくと、子どもが生まれた後や、お互いに余裕がないときに同じような内容でもめる可能性が高いので、今のうちに話し合っておいたほうが無難かもしれません。
しかし、「話し合う」と言っても、「何を」「どんなふうに」話し合えばいいの?と感じることもありませんか。
今日は話し合いの心得や、ポイントをお伝えします。
まず、話し合いのゴールは「お互いの考えを理解すること」です。
「最近、辛そうに見えるから何か役に立ちたいと考えているんだけど、ママの気持ちを教えてくれない?」
「ママのイライラの理由が僕にあるのは分かるんだけど、今のままだと僕が辛くなってしまうから、生活の中で工夫できるところを一緒に考えてみない?」
のように話しを始め、
まずはママの気持ちをじっくり聞いてみてください。
話し合いに慣れていない場合は、「別に何もないけど」「自分で考えて」と言われるかもしれませんが、
その時は、パパの素直な気持ちを伝えてみても良いかもしれません。
例えば、
「特に理由がないならその態度なのは悲しい」
「僕が自分で考えた内容でママが満足するならいいけど、もし違っていたらお互い辛くなるんじゃないかと思って、僕は仲良く過ごしたいと思っている」
のような感じで、少し粘ってみてください。
ポイントは、パパが真剣にママと向き合いたいと思っていることを示すことです。
ママの拒否反応が強い時は、「ママが話したいタイミングで教えてくれたら嬉しい」と伝えてください。
話し合いをするときに、話しながら自分の意見を整理する人と、すでに自分がどうしたいか説明できる人がいます。
話しながら意見をする人の場合、何の話しをしているか分からない場合もあるでしょう。この時に「今何の話しをしているの?」「どういうこと?」と聞くと、ママの心が折れてしまう可能性があるので、とりあえず聞き続けてください。
ママが話してくれた後の一言目に伝えるのは「話してくれてありがとう」です。
そして、まずはママの感じている感情に焦点を当ててコメントすることで、ママの心が開かれやすくなります。
今後の対策や夫婦のルールを決めたいときは、まずはママの感情を理解してからのほうが建設的な会話の近道になります。
そのために、まずは共感してください。
3. 不安や本音をそのままにしない!お互いがラクになる話し合いの進め方
そして、「ママと協力するために」「ママが1人で辛い気持ちにならないために」ルールを決めようと提案してみてください。ポイントは、ママを主語に提案することです。
「僕も辛いから」のようにパパを主語にすると、「結局は自分のことばかりなのね」と話が振り出しに戻る可能性があるので、「ママを主語に提案」してみると良いと思います。
ルールには、
「毎日10分は話す時間を作ろう」
「辛いと感じた時は「〇〇をしてほしい」と言うようにしよう」など、
できるところから決めていくこと、
そして「最優先でしたいと思っているけど、もしできない時は次の日の朝に僕がするからおいておいてね」
「もしすぐにできないときはいつ言うか伝えるから、それは許してほしい」など、
できない時の妥協点も決めておくと良いかもしれません。
はじめはぎこちない話し合いになったとしても、繰り返していくことで2人の話し合いの形が見つかってくると思います。お互いのコンディションの良いタイミングで練習してみてくださいね。


