~はじめに~
出産まで、いよいよあと2カ月ほどになりました。
赤ちゃんを迎える日が近づいてくる一方で、ママのお腹はますます大きくなり、日常のちょっとした動作すらつらそうに見えることも増えてきたのではないでしょうか。
妊娠30週は、出産や育児に向けた「本格的な準備」が始まる大切な時期です。
しかし、この時期のパパからはこんな声をよく耳にします。
「妊娠後期に入って、一緒にいる時間が増えたと感じた」
「一緒にいる時間が多くなったことで、急に家事の細かいやり方やこだわりを指摘されて戸惑っている」
「『よかれと思ってやったこと』にダメ出しされて、どう接すればいいかわからなくなっている」
「自分なりにパパになる準備をしようとしているけれど、実は仕事やお金、育児の不安でいっぱい。でもママには言いづらい……」
そんなふうに、戸惑いやプレッシャーを感じることはありませんか?
今回は、妊娠30週のパパが直面しやすい戸惑いへの向き合い方と、ママとの信頼関係を深める具体的なコミュニケーション方法をお伝えします。
1. 家事の「正解」が違う? まずはママの基準を知ろう
「仕事がお休みに入ったママが、家事の細かい手順やルールを細かく指定してきて面倒に感じてしまう」
「頼まれたことをママのペースですぐ動いて欲しいという圧を感じてしんどくなる」
「『正直そこまでこだわらなくても……』と思うようなことに口を出されてイライラしてしまう」
「家事はしようと思っているけど、今すぐに動いてほしいという圧を感じしんどくなる」
そんなふうに感じた経験はありませんか?
なぜ今、ママは家事のやり方に細かくなったり、口うるさくなったりするのでしょうか。
それには大きな理由があります。
まず、妊娠すると、ママは自分のペースで動けなくなることが多くなります。そのような毎日の中で、ママ自身が”動けない自分”に1番モヤモヤしていることもあります。「妊娠前の自分だったらもう終わっているのに」「気になるのに体がしんどくて動けない」という思いを抱えながら、自分が思うように動けないからパパに頼んでいるというママもいると思います。
そのため、「今気になっていて」「今動けない自分にもどかしさ」と感じている気持ちを分かってあげることで、パパへのありがたみを感じやすくなるかもしれません。
また、ママはこれから出産や里帰りで「家を空けること」や「動けなくなること」に対して、強い不安を抱えています。
自分が動けなくなった時、不衛生な環境で赤ちゃんを育てることになるのではないか、あるいは「自分が大切にしてきた居心地の良さ」が壊れてしまうのではないかと心配しているママもいます。
特に、家事の基準は人それぞれ違います。
「何をもって部屋がきれいと言えるか」
「どのような手順で家事をしてほしいか」
など、ママにとっては“譲れない心地よさの基準”があります。
実は、赤ちゃんが生まれると、こうした「お互いの認識ややり方をすり合わせていかなければならないこと」が山のように出てきます。
ミルクの温度や作り方、オムツを替えるタイミングや替え方、保湿クリームの塗り方、泣いた時のあやし方……挙げればきりがないほど、日々小さな話し合いとすり合わせの連続になります。
ここでスタートダッシュを間違えて、
「どっちでもよくない?」「そんなの面倒だよ」と拒否してしまうと、
「パパには任せられない」「何もわかっていない」と言われ、信頼関係が崩れていってしまいます。
その結果、産後にパパ自身が「自分は役に立てていないのではないか」「家庭の中で孤独だな」というネガティブな感情を抱えてしまう大きな原因になってしまうのです。
逆に言えば、今の時期から「ママがどうしてほしいのか」を丁寧に聞き、すり合わせる力をつけておくことで、産後にパパ自身が感じる孤独感や無力感はぐっと減っていきます。
パパから家事について聞く時は、
「ママが里帰り(または出産)して戻ってきた後も、ボクが同じように家事をできるようにしておきたいんだ。ママのやり方を教えてくれる?」
のような聞き方が良いかもしれません。
そして、ママから教わるときは、心の中で「面倒だな」と思うことがあっても、まずは受け止めて次の言葉を添えてみましょう。
「こんなに細かいところまで気を配って家事をしてくれていたんだね。ありがとう」
「ここまで考えてやってくれていたんだね」
ママは自分の希望ややり方をパパが受け入れてくれればくれるほど安心して家を空けることができ、産後もパパを信頼してくれるようになります。 また、人は自分の希望を聞いてくれた相手の希望(パパの自由な時間など)も聞き入れたくなるものです。まずはママの希望を叶える姿勢を見せることが、結果としてパパ自身の動きやすさにもつながります。
2. パパだって不安でいい。抱え込まないための向き合い方
この時期、ママのサポートをがんばろうとする一方で、
「イマイチ育児のイメージが湧かない…」
「子どものお世話が上手くできなくてママをイライラさせたらどうしよう」
「育休は取りたいけど、仕事への影響は大丈夫かな…」
「出産の時にすぐに駆けつけられるかな?間に合うかな?」
「お金、本当に足りる?」
「出産の支払い方法は?現金を用意しておかなければいけないのか、クレジットカードは使えるのか?」
など、不安やプレッシャーを感じることはありませんか?
パパにとっても環境が変わる変化の時だからこそ、不安になりますよね。
この不安には、「行動してみることで解消できるもの」と「感じながら向き合うもの」の2種類があります。
行動すれば軽くなる不安
「できそうだ」「やってみよう」と思えることからひとつずつ今からできる準備を!
ママにも共有しながら少しずつ進めていくことでより円満になるかも!?
・沐浴やオムツ替えの練習(産院の両親学級やYouTubeでもOK)
・ベビーグッズの確認・買い出し(抱っこひも、肌着、哺乳瓶など)
・育休の制度や手続きの確認(給付金や取得時期の整理)
・育児をサポートしてくれる家族や行政サービスの確認
・家計の見直し・予算のすり合わせ
・仕事の調整・上司への相談
実際に行動してみると、「案外できるかも」と思えることもたくさんあります。
不安を紙に書き出すなど“見える形”にすると、それだけで気持ちが軽くなるものです。
ママのこころの準備ができていない時に上記についてパパから話すとママが不機嫌になることもあるかもしれません。その時は、「今じゃないんだな」とその話題をやめ、ママから上記の話題をいつふってきても話せるように準備しておこうという気持ちで過ごしていただければと思います。
すぐには答えが出ない不安
すぐに解決できない不安は、「1人で抱え込まずに、ママと不安な気持ちを共有する」ことで乗り越えていきましょう。
「本当に子育てをうまくできるか」
「お金に困らず過ごせるか」
「泣き止ませることができるか」
といった不安は、その時が来るまでどうなるか分からないものです。
しかし、この不安を感じること自体は決して悪いことではなく、「これから親になるための事前準備に必要なプロセス」だと言われています。
気をつけたいのは、この不安を1人で抱え込んでしまうことです。1人で悩み続けると、実際の出来事以上に大きな不安へと膨らみ、押しつぶされそうになってしまいます。
さらに、プレッシャーに負けて赤ちゃんの話題を避けてしまったり、イライラした態度をとってしまったりすると、ママから「赤ちゃんのことに興味がないのかな?」「なんで不機嫌なの?」と誤解されてしまう可能性もあります。
そうならないためにも、パパの気持ちをママに共有することは、
・不安を膨らませず、正しい大きさに戻す
・ママに余計な誤解や勘違いをさせない
という2つの点で非常に重要です。
例えば、
「ママと同じようにオムツ替えできるのかなとか、ボクがママの思うような子育てができなくてママを不機嫌にさせるんじゃないかと思って不安なんだよね。今、Youtube見て情報収集しているんだけど…協力して頑張れる夫婦でいられるかな。」
「ママもキャリアを止めて子育てしているから、こんなこと言うのは自分のことしか考えてないようで言いづらいけど、3人で安心して暮らすためにお金が必要なのは事実だから、育休とったあと職場での立ち位置が良くない状況にならないか心配なんだよね。」
のように伝えると、ママも「パパも同じように親になろうと頑張ってるんだ」と感じることができるかもしれません。
お互いの不安を出し合いながら、「一緒にやっていこう」と思える関係を築くことが、これからの円満な子育てにもつながります。
ママは体の重さや出産への緊張を抱えながら、準備を進めています。
そんなママにとって一番の支えになるのは、思い込みで色々動いたり、完璧に家事や育児をこなそうとピリピリしたりしているパパではなく、「一緒に悩んで、一緒に考えてくれようとしているパパの姿」です。
今はパパが「一緒に考えてくれる」「支えようとしてくれている」その姿が、何よりもうれしいもの。
これから始まる新しい生活の準備を、ふたりで一緒に乗り越えていきましょう。


