~はじめに~
パパの手でも胎動を感じ取れる機会が増え、「お腹に赤ちゃんがいるんだ」と実感できる場面が増えてきた頃かもしれません。
今回は、この時期に感じやすいパパの不安と、メンタル不調についてお伝えします。
1. パパが感じやすい不安と、その付き合い方
「育休をとるとしたら、金銭面は大丈夫なのだろうか…」
「仕事を一定期間休むとしたら、復帰した後、自分のキャリアはどうなるのだろうか…」
「今の収入で生活はできるのだろうか…」
そんなふうに、育休取得やお金の不安を感じるパパもいるのではないでしょうか。
その気持ちは「親」としての責任が芽生えているからこそ感じる不安であり、多くのパパがプレッシャーに感じている問題なのかもしれません。
その不安の背景には、共働きが増えている今でも、ママは「子どもが生まれたら今まで通り働けないかもしれない」と不安を感じ、パパは「お金をどうにか工面しないといけない」と感じやすい、文化的な思考が残っているのかもしれません。
パパの中には、このような悩みを誰にも言わずに一人で抱えていたり、ママにお金や育休の話をして不機嫌になられてから話さないようにしていたりしている場合もあるかもしれません。
ママが感じている不安と、パパに感じてほしい不安
ママは「ちゃんとママになれるのか」「育てることができるのか」と赤ちゃんを主軸とした不安を抱えていることが多いです。また、赤ちゃんを身ごもった時点で、ママの人生や仕事など、今までの生活を手放す覚悟があったり…時々ぶれたりしているものです。また、自分のお腹にいるので逃げることはできないことという現実があります。
そのような、揺れながらも変えることができない現実の中で、自分ベースの考え方から赤ちゃんベースの考えに変わりつつある状況です。
ママは、パパにも同じペースで親になってほしいと願っている場合があり、
「ちゃんと父親になれるのか不安」
「赤ちゃんが生まれても何をすればいいか分からなくて不安」
など、赤ちゃんベースの不安を感じてほしいと思っている可能性があります。
その時に、パパベースに感じるような伝え方をすると、「パパは自分のことしか考えていない」と誤解されてしまうかもしれません。
これは、ママとパパがそれぞれの形で親になる準備を進めていることをお互いに理解する必要があり、そして、お互いに尊重できるような話し合いをできるかどうかが鍵をにぎります。
2. 育休やお金の不安を伝えるときのポイント
もし、パパがママに育休やお金の相談をしてみようと思った時は、「ママと赤ちゃんのことを考えているから、パパが不安を感じている」という文脈で伝えることが大切です。
例えば
「上手く話せるか分からないけど…僕は、赤ちゃんとママのために仕事を頑張らないと、と思っているんだけど、育休取得時期とか、お金のことが大丈夫かなって心配になるときがあるんだよね」
「ママを責めたいわけじゃなくて、むしろ逆なんだけど、ママが安心して過ごすためには、お金のことも考えないとだから話したいんだけど」
「ママといっしょに子育てするためには、育休申請しておかないとなんだけど、」
のような言い方をすると、自分のことが心配なのではなく、赤ちゃんとママのことを考えて不安になっていることが伝わりやすいかもしれません。
「目の前のことで精一杯のママ」と「未来に不安を感じるパパ」
目の前のことに必死になっているママに将来の心配を話してもパパの不安が上手く伝わらないこともあるかもしれません。
その時は、現状を言葉で共有しておくだけでもママの理解が変わってくる可能性があります。
例えば、
「ぼくの会社では、2~3ヶ月前には育休の期間を言わないといけないんだよね。」
「会社で育休を取りたいと伝えたら、引き継ぎをしっかりするように言われて、1ヶ月くらいは残業が続きそうなんだよね」
のような言い方が分かりやすいかもしれません。
パパの不安をママに共有しても、具体的な方法は見つからないこともあると思います。
しかし、「一緒に頑張ろう」と話せることで少し気が楽になることもあります。
どうか、一人で抱え込まず、ママと一緒に乗り越えていきましょう。
パパとママのこころの不調を知る
妊娠出産のライフバランスの変化は、嬉しいライフイベントですが、良い変化・悪い変化問わず、ライフイベントは慣れるまでこころに大きな負担をかけます。
妊娠するまではママと仲良く過ごしていたのに、何故か妊娠後は妻の機嫌を伺うようになった、本音が言いづらい、腫れ物に触るような関わりが増えていると感じることはありませんか?
それは、「夫婦で仲良く過ごす」ステージから「親になる」ステージに変化する上で必要な段階です。
妊娠してからママがイライラしている。
今までは楽観的な性格だったのに、神経質になっている。
変にハイテンションでいる。
など、今までのママと違う一面が続く場合は、心が辛くなっていないか、無理していないかという視点でママを観察してみる必要があるかもしれません。
また、このメンタル不調はママだけでなく、パパにも起こると言われています。
産後の不調は、ママとパパが同じくらいのパーセンテージでうつになりやすいという研究もあります(Nishigori H, et al. J Affect Disord. 2018;230:93-99.)。
3. こころの不調に気づくためのサインと相談先
パパにもママにも起こるメンタル不調をご紹介します。
・ぼーっとすることが増える、頭が重い感じがする
・言われたことを忘れることが増える
・いつもはしないミスが増える
・将来に漠然とした不安を感じる
・いつもは受け流せることにイライラする
・こころの余裕がない
・夜眠れないことや、途中で起きる、寝ても疲れがとれない
・好きなことをしようという気持ちが湧かない
・体が重い
・夫婦げんかが増える、話す気力も湧かない
・ご飯を食べてもおいしいと感じない
不調が続くときの相談先
もし1つでも当てはまり、数週間続いているようであれば、妊婦健診で相談してみることをおすすめします。
ママに話すことやママが同席している妊婦健診で話すことはハードルが高いと感じる場合は、パパの不調も役所にある子育て課の助産師さんに電話で相談してみてもよいでしょう。
ちなみに、メンタルの不調は自覚しづらいことも多く、また、客観的にも変化に気づきにくいものです。
「いつもの自分またはパートナーと様子が違うと感じたら言い合おうね」などと話しておくだけで、予防につながる可能性があります。
つらさを抱え込まずに伝える
また、辛い気持ちに気づけた場合は、今起きている現状をママに話してみることで理解が得られやすくなるかもしれません。
例えば、「ママも頑張っているのにこんなこと言っていいのか分からなくて悩んでいたんだけど、実は最近あんまり眠れなくて。ママは頑張って赤ちゃんを育ててくれているのに、こんな相談していいか分からなくて」のように切り出してみるとママも理解しようとしてくれるかもしれません。限界を超えたタイミングで「僕だってあんまり眠れていなくて辛いんだ」と自分の主張だけを伝えると、ママも「私だって」となる可能性があるので、限界を迎える前に現状を伝えることをおすすめします。
4. アプリを活用して、ママのこころを支える
このアプリでは、ママのこころチェックができる機能を準備しています。また、パパに現状を共有できる機能もあるので、ママの状況を知るためのツールとしてご利用ください。
もし、ママからこころチェックの共有が来た場合は、「送ってくれてありがとう。一緒に乗り越えよう。なんでも話し合おう」と声をかけて、「話してくれてありがとう」と伝えることが、ママを救う一歩になるかもしれません。
その時は「それだったら〇〇したら?」「ゆっくりしたらいいよ」などのアドバイスではなく、「辛かったね」「気づけなくてごめんね」と伝えながら、パパができることを提案してみると良いかもしれません。


