~はじめに~
出産予定日まで、あと1カ月あまり。
赤ちゃんに会える日が、いよいよ現実味を帯びてきましたね。
ママのお腹はずっしりと重くなり、日常生活のちょっとした動作や眠ることさえ大変な日が増えてきます。「いよいよ出産」という大きな節目を前に、ママは期待と同時に強い不安を抱えて過ごしています。
しかし、この時期のパパからはこんな本音の声をよく耳にします。
「ママが産休に入り、家にいる時間が増えたけど、仕事を終えて疲れて帰宅する自分との間で、家事の負担をどの程度分担すべきか悩んでいる。」
「仕事の引き継ぎや育休調整で正直自分もいっぱいいっぱい。家庭と仕事の板挟みで疲れている」
「結局、いつ里帰りしたいのか聞いていいのか分からない」
そんなふうに戸惑ったり、プレッシャーを感じたりしていませんか?
妊娠32週は、出産当日に向けた「最終確認」と、産後のすれ違いを防ぐための「すり合わせ」を行う大切な時期です。パパが無理なく、納得して進められるポイントをお伝えします。
1.産休に入ったママへの捉え方と家事の分担
「仕事をお休み(産休)に入ったママは、前より穏やかで少しラクそうに見える」
「日中ずっと家にいるなら、家事はママにお任せしてもいいのかな?」
「一息つく間なく、家事を頼まれるのは正直つらい」
そんなふうに思ったことはありませんか?
毎日外で戦っているパパからすれば、そう感じてしまうのも無理はないかもしれません。
確かに、仕事をしていた頃のプレッシャーから解放されてホッとしているママもいます。
しかし、ここで知っておいてほしいのは、産休に入って気持ちが穏やかになったとしても、ママが楽に過ごしているわけではないということです。そして「産休は家事をするための時間ではなく、出産に向けて全身で体を休めるための期間」だということです。
この時期のお腹の重さは約4〜5kgにもなり、心臓や肺が圧迫されて息切れや腰痛、激しい不眠に悩まされます。「家にいるからヒマ」なのではなく、「立っているだけでも体力を削られている状態」なのです。
ここで「家にいるならやっておいてほしい」という雰囲気を出すと、ママは「こんなに体がきついのに分かってくれない」と大きなショックを受けます。
仕事で疲れているパパも大変です。これまでパパが担当していた家事はそのまま継続しつつ、帰宅後すぐに動き続けることが負担になっている場合は、「帰宅後に少し休んでから取りかかりたい」など、無理なく続けられるやり方をふたりで相談してみましょう。どちらか一方が我慢するのではなく、体調や疲れ具合に応じて家事の順番や分担を調整することが、余計な摩擦を生まない近道かもしれません。
ママの体をいたわり
「産休に入って少しホッとできたかな? お腹も重くて息をするのも大変な時期だから無理しないでね。今まで通り家事はボクもやるよ。仕事で疲れている日は、帰って少し休んでから動かせてもらえると助かるから、お互いにしんどい時は遠慮なく伝え合おう」
と伝えてみるとママも「たしかにな」と思うかもしれません。
2.入院や出産の準備は、できるだけ“ふたりで”
「出産準備品はママに任せきりで、今さらどんなふうに確認すればいいか分からない」
「いざ陣痛が来たとき、自分にちゃんと対応できるか不安……だけど、そんなことママには言えない」
そんなふうに焦りを感じることはありませんか?
出産はママ一人が挑む大仕事のように思えますが、急な陣痛や破水が起きた時、実際に動くキーマンはパパです。ママは激痛で指示を出せなくなることもあります。
だからこそ、「ママに任せる」のではなく、パパが把握しておくことがパパ自身の焦りを減らします。
以下の3つだけでも、事前にパパが場所や手順を把握しておきましょう。
1.入院バッグの中身と置き場(母子手帳・保険証・診察券・産褥ショーツ・授乳ブラ・服など)に加え、退院時に必要な赤ちゃんの服やおくるみの準備状況(水通しを含む)
2.産院までの交通手段(陣痛タクシーの事前登録、自家用車のルート、駐車場、渋滞時の対応)
3.緊急連絡先リストの共有(病院、お互いの家族、職場など)
「準備できてる?」と確認するのではなく、パパが当事者として動くための確認として声をかけてみてください。
例えば、
「いざ陣痛が来た時にボクが慌てず動けるように予行練習しておいていい?」
「陣痛きたときのリハーサルします。入院バックを持って、車を家の前に止めます。カギはボクがかける」
のように、パパが率先して動こうとしてくれる姿を見ると、ママは心強いでしょう。
3.親族との付き合い方やお金・将来のすり合わせ
「自分の両親の面会や里帰りのこと、ママはどう思っているんだろう?」
「産後の生活費や育休中の働き方について、どう切り出せばいいかわからない」
特に、自分の親族に関わることやお金の話に加え、出産時にママの両親へどのタイミングで連絡するか、誰が立ち会うかといったことも、どう切り出すか悩むポイントですよね。
実は、義理の両親(パパ側の親)の訪問やアポなしの面会などは、ママ側からは角が立つと思って絶対に言い出せません。また、育休中のお金や復職後の働き方も、お互いに気を使って本音を隠しがちです。
しかし、お互いの気持ちを言えないまま産後を迎えると、「本当は来ないでほしかったのに」「お金のやりくりが不安だったのに」と、取り返しのつかない不満として爆発してしまいます。だからこそ、パパが先回りしてママの本音を聞き出し、間に入って防波堤になってあげることが重要なのです。
例えば、ママが穏やかな時に、
「赤ちゃんが生まれた後のうちの両親の訪問なんだけど、ママが一番気持ちよく過ごせる形にしたいと思ってるんだ。いつ連絡するのがいいかな。入院中は面会は控えてもらおうと思っているけど、それでいい?両親にはボクの意見として伝えるから安心してね。」
「陣痛や入院になった時、ママのご両親にはいつ連絡するのが安心かな? 立ち会いについても、ママの希望を聞いて一緒に決めておきたい」
「産後の暮らしを安心して進めるために、育休中の生活費や働き方についてもママの希望を聞かせてほしい。遠慮なく本音で話そう」
などの声かけがよいかもしれません。
4.パパ自身の「プレッシャーや疲れ」はきちんと言葉で伝える
この時期、仕事の引き継ぎや会社への交渉、育休の調整などに追われ、
「家のこともしたいのに仕事が終わらない……」
「疲れて帰りが遅くなり、ママに申し訳ない」
と、パパ自身が大きなストレスやプレッシャーを感じやすい時期でもあります。
責任感が強いパパほど「自分がしっかりしなきゃ」と一人で抱え込んでしまいがちですが、疲れている時は正直にママに伝えたほうが、誤解をうまずに支え合うことができるかもしれません。
パパが黙ってピリピリしていると、ママは「本当は、赤ちゃんが生まれることを望んでいないのかな…」「赤ちゃんが生まれることを軽く見ているのかな」「結局はママ1人で出産の不安と向き合わないといけないんだ…」と勘違いさせてしまうこともあります。
素直な理由を伝えることが、お互いの安心につながります。
パパが仕事で忙しいときは言葉で現状を伝えてみましょう。
例えば、
「今、産後にしっかり休みを取るために仕事の引き継ぎを必死でやっていて、少し遅くなっちゃってごめんね。本当は早く帰りたいんだけど。今を踏ん張れば、安心して子育てできるから、ちょっと疲れてぐったりしているときは、少し体を休ませてもらえると助かるよ」
のように伝えてみるとママに気持ちが伝わるかもしれません。
まとめ|完璧よりも、ふたりで話すこと
ふたりで乗り越える出産、そして始まる育児。
完璧じゃなくて大丈夫です。
一緒に悩んで、話して、進んでいくことが大切です。
ママを想い、赤ちゃんのためにできることを少しずつ積み重ねていきましょう。


