つわりがつらい!どうやって乗り越えたらいいの?【前編】

つわりの症状は本当に千差万別です。思ったより大したことないと感じている人も、逆に、今まで経験したことのないほどつらいと感じている人もいるかもしれません。

つわりの正しい知識を身に着けるために、【前編】では受診目安やホルモンの関係について、【後編】ではつわりの対処法についてお伝えしていきます。

つわりの症状と受診目安とは?

毎日つわりが辛くて、赤ちゃんが無事に育っているのかも心配。このつらい毎日があとどれくらい続くんだろう…

つわりとは吐き気や嘔吐、食欲不振などの症状のことで、妊婦さんの80%に起こるといわれています。他にも唾液量の増加やだるさ、眠気、食欲不振、食べ物の好みの変化などが起こることもあります。

妊娠4~7週から始まることが多く、8~12週がピークで、16週には楽になるお母さん達が多いです。ただ、つわり症状の種類や重さ、続く期間は個人差が大きいと言われています。

また、つわりに続いて、子宮が大きくなり胃を圧迫することで、妊娠期間中ずっと吐き気や食欲不振が続く妊婦さんもいます。

つわりは吐き気だけじゃなくいろんな症状があるんだ。安定期になったら絶対終わると思っていたけど人それぞれなんだなぁ…

つわり症状が重症化し、頻回の嘔吐や食事・水分がとれないことで体重が大きく減少したり、脱水や飢餓状態となる場合には、妊娠悪阻(にんしんおそ)という病気と診断されることもあります。妊娠悪阻は、妊婦さんの0.3~2%に発症するといわれています。

診断が下りた場合は、入院や通院での点滴治療が必要となることがありますので、以下の目安を確認してみてくださいね。

  • 病院受診の目安

☑ 食事や水分がほとんど摂れない
☑ 頻回な嘔吐がある(1日3回以上)
☑ 体重が妊娠前に比べて5%以上減っている(例:体重50㎏の場合2.5kg以上)
☑ トイレの回数が減っている
☑ 頭痛やめまいの症状が続いている

入院が必要なこともあるんだ。症状がないかチェックしてみよう。最近あまり栄養のある食事がとれていないけど、赤ちゃんは大丈夫なのかな…?

食べられないことや偏食による赤ちゃんへの影響

つわりの期間中に食べられる食べ物が限られることによって、赤ちゃんへの影響を心配する妊婦さんは多いと思います。

妊娠初期の頃の赤ちゃんはまだ小さいため、少しの栄養で育ちます。短期間であれば栄養の偏りは大きな問題にはならないので安心してください。

ママの体を優先して、食べられる時に食べたいものを食べることが大切です。もし余裕があれば、栄養価の高い食事をとってくださいね。例えば、果物をいれたヨーグルト、酢飯とシラスの混ぜご飯などが比較的食べやすくておススメです。

よかった。短期間であればそんなに心配しなくてもいいんだ。食べられそうなものを少しずつ食べてみよう。

プチ豆知識 葉酸とマルチビタミンをとろう!


葉酸は、妊娠の成立や、お腹の赤ちゃんとママをつなぐ胎盤(たいばん)を作って維持することなど、お腹のお赤ちゃんの成長に大事な役割を果たしています。

加えて、葉酸には赤ちゃんの脳や脊髄に生じる先天異常(神経管閉鎖障害)を防ぐ効果や妊娠中の貧血予防に効果があります。そのため、葉酸は妊娠前から出産まで継続的に摂ることをおすすめします。

食品中の葉酸はポリグルタミン酸型といい消化吸収の過程で活性が下がってしまうため体内での利用率が低いと言われています。

一方、サプリメントに含まれることが多い葉酸は合成型のモノグルタミン酸型(プテロイルモノグルタミン酸)といわれるもので、食品中の葉酸よりも効率的に体内に吸収され利用率も高いと言われています。

食事だけでは不足する場合があるんだ。葉酸はサプリメントでとるようにしようかな。

また、一般的なマルチビタミンのサプリメントには葉酸とその働きを助けるビタミンB6・B12が含まれており、これらはつわりの予防効果があると言われています。

ただし、マルチビタミンに含まれる葉酸は0.2mg程度で、赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症リスクを減らすために必要といわれている「サプリメント等での葉酸の補充量(1日0.4mg)」より少ないことに注意が必要です。

葉酸サプリメントの選び方は?

1.含まれる葉酸の量を確認してみよう。

  • サプリメント等で1日0.4㎎(400μg)の葉酸を補充することで、赤ちゃんの神経管閉鎖不全症を予防する効果があるといわれています。ただし、1日1㎎(1000μg)以上の摂取は、他の病気(ビタミンB12欠乏による悪性貧血など)の存在を隠してしまう可能性があり、医師の管理下での摂取が必要です。

2.自分に合うものを見つけよう

  • 最近は錠剤の大きさや、味が工夫されたものなど様々な種類があります。毎日飲むものなので、無理なく続けられるものがいいですね。

プチ豆知識 適切に魚を食べよう!


お魚にはお腹の赤ちゃんの成長に必要な栄養素[良質なたんぱく質、ドコサヘキサエン酸(DHA)カルシウム、鉄など]がたくさん含まれています。

一方、妊婦さんが食べる時に注意は必要な種類もありますし、生食は衛生面から禁止されることもあります。

種類や食べる量、調理法を理解して、適切にお魚を食べられるといいですね。ツナ缶やサバ缶は手に入りやすく特に注意も必要ないため、おススメです。
下記の厚生労働省のパンフレットも参考にしてくださいね。

葉酸は大事だけど取りすぎも注意なんだ!最近魚は食べてなかったけど、ツナなら食べられるかな…

つわりに関わるホルモンとその役割

つわりが起こる原因はまだほとんどわかっていません。

妊娠8~10週頃に赤ちゃんとママをつなぐ胎盤から多く分泌されるhCGというホルモンがつわりと関連しているといわれています。日本語で言うとヒト絨毛(じゅうもう)性ゴナドトロピンという長い名前です。

つわりと関係していると言われる理由は、hCGが増える時期とつわりが出現する時期が一致していたり、双子の赤ちゃんを妊娠しているママのほうがhCGの量が多く、つわり症状が重症であったりするためです。

他に、こころの状態や体質、取り巻く環境もつわり症状の悪化に関連しているといわれています。

難しそうな名前だけど、つわりにもホルモンが関わっているんだ。ホルモンって本当にいろんな作用があるんだな。

プチ豆知識 つわりの原因?!新ホルモン!


一方、最近になって、あるホルモンがつわり症状に関連することを示す論文が国際的な科学雑誌に掲載されました。成長分化因子15(Growth Differentiation Factor 15: GDF15)というこちらもちょっと難しい名前のホルモンです。

GDF15は、妊娠中に限らずに体内で作られていて、食欲や吐き気をコントロールしている「脳幹(のうかん)」という脳の部位に作用するホルモンです。


また妊娠すると、胎盤を通じて赤ちゃんからGDF15がたくさんママの血液中に流れ込んでくることがわかりました。


研究では、もともと妊娠前にママ自身のGDF15の量が少ない体質のママほど、妊娠後、赤ちゃんから流れてきたGDF15 に反応しやすく、つわり症状(吐き気や嘔吐)が強く出ることがわかりました。


今後GDF15をコントロールしてつわりを軽減するお薬が出てくるかもしれないと言われています。


この研究のように、少しずつつわりのメカニズムが解明されて、妊娠中をより穏やかに過ごせる日が来るといいですよね。

色々分かってきてるんだ。つわりをコントロールできる時代が来るといいな!

次回、【後編】ではつわりの対処方法についてお伝えします!今つわりの症状に苦しんでいるママや、まだつわりは重くないけれども事前に知っておきたいママはぜひ目を通してみてくださいね