陣痛ってどんなもの?乗り切る方法は?

出産予定日とは?

  • 正期産

妊娠37週0日から41週6日目までの出産のこと。赤ちゃんがママのお腹から出て外の世界で過ごす準備が十分にできているため、母子ともに出産の負担が少なくなります。この時期での出産が目標とされ、40週0日が出産予定日となっています。

  • 早産

妊娠22週0日から妊娠36週6日までの出産のこと。早産となる原因は感染症・子宮の異常など様々ですが、赤ちゃんがママのお腹からでて外の世界で過ごす準備が十分にはできていない時期です。

一方、34週以降に生まれた赤ちゃんは、早産であっても正期産の赤ちゃんに近い状態になっており、病気や発達の課題をもつリスクが低いといわれています。

  • 過期産

妊娠42週以降の出産のこと。過期産となる原因は、今のところはっきりわかっていません。過期産では、赤ちゃんとママをつなぐ胎盤の働きが弱まって、赤ちゃんに栄養や酸素が十分に届かなくなり、赤ちゃんに影響がでる可能性が高まります。

赤ちゃんが大きくなった場合には、産道を通るのが難しくなることがあります。過期産での出産は、母子ともに負担が大きくなるので、過期産となる42週に入る前に様子をみて陣痛を促す薬を点滴する「分娩誘発」を行うことが一般的です。

  • 臨月

医学用語ではないですが、一般に言われている『臨月』は、「正期産」の時期より1週間早くなっています。臨月に入ると、間近に迫った出産に向けて、赤ちゃんとママの健康状態を確認するために、妊婦健診の頻度が2週間に1回から1週間に1回に変わります。

陣痛のはじまり

出産が近づいてくると、ママは体から色々なサインを受け取ります。

代表的なサインには、「おしるし」「破水」「前駆陣痛」の3つがあります。陣痛が始まる前にママがどのサインを受け取るかは人それぞれでです。

1.おしるし: 卵膜(らんまく)の一部がはがれて、血が混じったおりものが少量出ること

  • 出産が近くなると、子宮の出口が少しずつ開き始めていて、この時に子宮の壁にくっついている赤ちゃんを包む卵膜の一部がはがれて、少し出血することがあり、これを「おしるし」といいます。
  • おしるしがあってから1~2日以内に陣痛が始まることが多いですが、1週間以上かかる場合もあります。
  • おしるしの後陣痛が始まるまでは、普段と同じ生活をしても大丈夫です。こころの準備をして、陣痛が始まるのを待っていてくださいね。

2.破水:卵膜が破れて中から羊水が出てくること

  • 妊娠中のママのお腹の中で、赤ちゃんは羊水にプカプカ浮かびながら過ごしていますが、卵膜という薄い袋状の膜が赤ちゃんと羊水を包んでいます。
  • 羊水には細菌から赤ちゃんを守る働きがありますので、破水後には、赤ちゃんが菌に感染する心配があります。陣痛の前に破水したら、24時間以内に陣痛が起こることが多いといわれています。出産のために入院する必要がありますので、すぐに病院に連絡しましょう。破水後にお風呂にはいることは、感染の心配があるので控えてくださいね。
  • 病院に着いたら、もうすぐ出産です。陣痛が始まるのを安静にして待っていてくださいね。状況によって、陣痛を起こす分娩誘発などが行われることもあります。

3.前駆陣痛:本陣痛前の出産の準備のために起こる不規則なお腹の痛みや張りのこと

  • 前駆陣痛の痛みの強さ・長さ・間隔は個人差が大きく、前駆陣痛を感じないまま本陣痛になるママもいます。今までとは違うおなかの張りや痛みがあっても、間隔がまばらでそのうち治まってしまえば、様子を見ても大丈夫です。
  • 出産のはじまりである本陣痛が始まるまでの期間には個人差があり、数時間の場合や数日かかる場合があります。
  • おなか痛みや張りがどんどん強まっていき、10分おきくらいの間隔で規則的に繰り返し起こるようになったら、いよいよ赤ちゃんを産む本陣痛のはじまりです。

必ずおしるしがくるかと思っていたけど、破水から出産が始まることもあるんだ!知らなかったぁ…どれから始まってもいいように、入院の準備もちゃんとしておこう

陣痛に関わるホルモンとその役割

陣痛の時には、ママの体の中で分泌された「オキシトシン」や「プロスタグランジン」が、陣痛を促して、赤ちゃんが産道を通って外の世界に出てくるのを助けます。

同時に、かなり強力な鎮痛作用をもつホルモンである「βエンドルフィン」がママの体の中で分泌され、陣痛の痛みを軽減して、少しでもリラックスして出産に臨めるようにママを助けてくれます。

しかし、不安や緊張が強過ぎると、「アドレナリン」が分泌されて、さきほどのママと赤ちゃんを助けるホルモンの働きを邪魔してしまいます。

出産の時期に、ママの体の中で活躍するホルモンの種類とその役割について説明しますね。

分娩の時に活躍するホルモンもたくさんあるのね

オキシトシン:子宮を収縮させて陣痛を促し、出産をサポートするホルモン

赤ちゃんの頭が子宮の出口を押すことで、オキシトシンがたくさん分泌されます。

本陣痛が始まるきっかけはまだ十分に分かっていませんが、本陣痛が始まるとオキシトシンがさらに分泌され、子宮を収縮させて、赤ちゃんが産道を通って外の世界に出てくるのを助けます。

また、赤ちゃんが生まれた後も子宮を収縮させて、出血を防ぐ働きがあります。

プロスタグランジン:子宮の出口を柔らかくし、出産をサポートするホルモン

プロスタグランジンは、子宮を収縮させたり、子宮の出口を柔らかくしたりし、赤ちゃんが産道を通って外の世界に出てくるのを助けます。

一方、妊娠していない時期には、子宮を収縮させて古くなった子宮内膜を月経として体の外に出す作用があり、月経痛を引き起こします。

βエンドルフィン:陣痛を軽減するホルモン

βエンドルフィンはかなり強力な鎮痛作用をもちます。

出産の進行とともに増加し、陣痛を軽減する効果もあります。

また、「幸せホルモン」とも呼ばれリラックス効果やストレス軽減効果があります。陣痛と陣痛の合間に眠くなるのは、βエンドルフィンがママの体とこころが少しでもリラックスできるように働いているためです。

また、出産後のママにおおきな満足感や幸福感をもたらすと考えられています。

アドレナリン:出産の進行を妨げてしまうホルモン

アドレナリンは不安やストレスに反応して分泌されて、出産の進行を妨げてしまう作用があります。

アドレナリンが多く分泌されると、オキシトシンやβエンドルフィンの働きを妨げて、痛みや不安を強く感じたり、陣痛が弱くなって出産に時間がかかったりすることがあります。

さらに、子宮への血流が減って、赤ちゃんが苦しくなってしまう可能性があります。

出産の際は、なるべくリラックスを心がけましょう。

陣痛ってかなり痛そうなイメージだから心配していたけど、赤ちゃんとママを助けてくれるホルモンがでるんだね…ちょっと安心。リラックスしてお産に臨みたいな!

プチ豆知識 陣痛誘発剤や陣痛促進剤ってなに?!-分娩誘発とはー


まだ陣痛が始まっていない妊婦さんに対して 、陣痛を開始させるよう促すことを「分娩誘発」と言います。

出産予定日を過ぎている時、破水をしても陣痛がこない時、ママが妊娠高血圧症候群などの病気にかかっている時、子宮の中で赤ちゃんの成長が止まってしまった時など、ママや赤ちゃんにとって妊娠を続けることが危険と判断された時に行われます。

機械的な方法と、子宮収縮薬(陣痛誘発剤、陣痛促進剤)を使う薬物的方法があります。

子宮収縮薬の主な成分は、オキシトシンとプロスタグランジンという、自然に陣痛が起こる時にママの体の中で分泌されるホルモンです。

これらの薬を使う基準や方法は、これまで多くの出産の経験に基づいて作られたガイドラインで厳格に定められており、適切に使用される分には安全な薬剤です。

「無理やり子宮を収縮させる薬なんてなんだか怖い」と思うかもしれませんが、お医者さんによく話を聞いた上で安心して臨んでくださいね。

陣痛の乗り切り方 ー先輩ママが実践したリラックス方法ー

陣痛の時にはママと赤ちゃんを助ける様々なホルモンが分泌され陣痛の痛みを軽減して少しでもリラックスして出産に臨めるようにママを助けてくれます。

しかし、不安や緊張が強過ぎるとママと赤ちゃんを助けるホルモンの働きを邪魔してしまいます。

陣痛が起きた時にできるだけ不安や緊張を軽減できそうな自分に合う方法を、あらかじめ探しておきましょう。

陣痛が起きてからは、とにかく自分の体とこころを一番優先して、リラックスを心がけてくださいね!

プチ豆知識 『いきみ逃し』っていつどんなことをするの!?


「いきみ逃し」とは、子宮の出口が完全に開く(医学用語で「子宮口の全開大」といい、子宮口が10㎝程度となること)前の陣痛中にいきまないように(腹圧をかけないように)することです。

子宮の出口が完全に開いていない状態でいきんでしまうと、産道が傷ついたりむくんだりして、お産がスムーズに進行しない原因となってしまいます。

子宮の出口が完全に開くまではリラックスをして「いきみ逃し」を乗り切りましょう。

先輩ママ達がどんなリラックス方法で、陣痛やいきみ逃しを乗り切ったのか知りたいな。

先輩ママが実践したリラックス方法

  • アロマテラピー:香りが脳に働きかけ緊張や不安を癒してくれます。
  • マッサージ:指だけでなくゴルフボールやテニスボールなどを使って、背中から腰、肛門付近などいろいろ押す場所を試してみましょう。
  • 温める: 温かい水に足を浸けたり、痛いところを温めたりしてみましょう。
  • 呼吸法:腹式呼吸で、特にゆっくり息を吐くことを意識しましょう。痛みを感じたときに息を止めてしまうと交感神経の働きが高まって体とこころの緊張が強くなりますが、ゆっくり息を吐くと副交感神経の働きが高まって体とこころの緊張が和らぎます。
  • 音楽を聴く:好きな音楽を聴いて痛み以外に集中しましょう。

テニスボールで肛門付近を押すって聞いたことある!いろいろ試して、なんとか陣痛やいきみ逃しを乗り切れるいいな…

おわりに:陣痛に対する不安がいっぱいなママへ


「本当に耐えられるのか不安」「陣痛の痛みは未知数で怖い」と感じるママも多いと思います。

はじめてのことなので不安や恐怖を感じて当然です。赤ちゃんの出てこようとするパワーと、ママの体内で分泌されるホルモンの働きによって、出産は進んでいきます。

そして、いきむタイミングがきたら、全力でママをサポートしてくれる産科の先生や助産師さんの声かけに合わせていきんでくださいね。

実際出産を終えてみると、思い描いた通りではなかった…と感じることもあるかもしれませんが、どんな出産であったとしても、ママと赤ちゃんが100%頑張ったことに変わりはありません。

赤ちゃんとの最初の共同作業としてリラックスして出産に臨んでくださいね。

陣痛に対する不安や恐怖を感じて、陣痛の痛みを少なくする「無痛分娩」を考えているママもいるでしょう。【こちらのコラム】で紹介していますので、気になる方は参考にしてください。